2023年5月19日金曜日

2023GW活動の記録と感想

4/28-5/1 新潟活動(感想)

アプローチ、標高が高いところは雪が残っているけれど、すでにヤブが繁茂し始めており、時々ツル植物に絡め取られて辛かった。周辺は落とし穴のような穴だらけで一々入っていたらキリがない。しかし壁がサザレ石でできた洞窟があって、それはあまり見たことがなかったので珍しかった。

洞内の狭いトレンチで、中層くらいをキープしないと通れないのだが、気を抜くとずるずる下に落ちていく。昔、広島の洞窟でそうやって腰がハマって上がれなくなったことを思い出して怖かった。行きは下りなのでまだ良かったけれど、帰りは上りでしんどかった。

竪穴部分はすごかったけど濡れた。ドロドロにもなった。テンバが洞口に近くて、そこそこ平らなのはよかった。

途中まで測量したものの、支洞が多くて到底終わりそうにないので途中で探検メインに切り替えた。


5/3-5/7 熊本~宮崎活動(感想)

2日目夕方に、東京スペ御一行が同じ洞窟に入ろうと来られたらしかったが、洞口にロープが張ってあるのを見て、帰ったらしい。来ることを知らなかったとはいえ、後から聞いて、1時間半も山を登って、手ぶらで帰ったのは気の毒だと思った。

その後、御一行には路上で遭遇し、そしてその2日後にも球泉洞で出会ったのであった。

4名参加、内1名は元気を失くして3日目に離脱してしまった。どんなこともあまり楽しいと思えなくなった、と言ってた。コロナが終わって5月病になる人が多いと聞くけど、それだろうか。参加者が少ないのは寂しい。

既存洞窟の新支洞を探検した。最初の方がすごく狭い。狭いところは得意な方だと自負しているが、Y氏とA氏の後を付いていくと、時々とんでもなく狭いところを通過しており、後から行くにもかかわらず本当に通れるのだろうかと不安になる時がある。

もじゃもじゃのモモジロコウモリが、人間が近くを通っても微動だにせず、翌日も同じ場所にぶら下がっていた。もしかして死んでいたのだろうか。

ホールは立派だった。落盤帯は、うっかりするとすべての岩が崩落するんじゃないかと、かなり危うかった。最奥には見たことないくらい洞窟サンゴでびっしり埋めつくされたトレンチがあった。

雨が多く、3日~4日目は山を降りて、車での石灰岩エリアや既存洞の確認に費やした。八代に近い竜峰山は眺めがよく人気の登山スポットだった。

球泉洞や白滝鍾乳洞、黒仁田洞などの観光(準観光)洞窟にも行った。

R2年の球磨川の氾濫の爪痕が残る人吉で、馬肉料理屋さんに行ったり、餃子を食べたりした。どちらも水害後に建て直された新しい店舗で営業されていた。2階まで浸水したという。

時が止まったかのような激渋・レトロな鶴亀温泉は、水害前の建物のまま営業されており、泉質も含めすごくよかった。

最終日は雨の中、新洞の探検と測量をした。滴下水が多い中での測量は、水滴でスマホの画面が思うように動かなかったり、測量計が湿気でやられたりと大変だった。残念ながら洞窟は狭くなって終わり、測量も帰る時間ギリギリで終わった。

新しくなった熊本空港で飲んだ天草のクラフトビールがたいそう美味しかった。雨で飛行機の出発が遅れ、そのせいで伊丹空港から出る最終バスに間に合わず、電車を乗り継いで帰り、土砂降りの中、駅から歩いて家に帰った。

おかざ

2022年11月14日月曜日

【探検・測量】新潟県阿賀町の小さな水穴

10月、新潟県阿賀町で縣さんが発見した水穴を探検&測量しに行った。
箕ノ輪山と出角山の間の谷間の小さな石灰岩レンズで、岩盤の下から水が湧き出している。道路からすぐで、徒歩3分もかからない。
天気予報は雨だが、どうせ洞窟内で濡れるので気にならない。装備を整えていざ入洞。洞口の周りにだけヒルがうようよしていて怖い。
洞口から、きれいなキーホール型のパッセージがまっすぐ続く。腰を少しかがめて歩ける大きさ。
奥に進むと二股に分かれ、どちらも、どんどん天井が低くなってきて、最後はぎりぎり匍匐で通れる狭さになる。残念ながら、どちらの支洞も広くはならず、水だけが奥へ吸い込まれていくのを確認した。総延長は91.6mとなった。新潟県の洞窟は、マイコミ平周辺を除くと、あまり探されていないようで、ネットで見ても遺跡がいくつかある程度。小さくても、この周辺としては珍しい物件である。

帰りがけに寄った五泉市の中華料理屋でラーメンを待っている間に測図を直そうとアプリを開いたら、スマホの電源がいきなり落ちた。カメラレンズに水滴がついており、どうやら水没した模様。こういう時は焦らず電源を入れず、中のデータに影響がないことを祈りつつ、中の水分が乾くのをひたすら待つのが吉である。

観光鍾乳洞「大沢鍾乳洞」に寄って、ちょっと下がりぎみのテンションを上げつつ、次のエリアへ移動した。

(おかざ)

 

2022年11月11日金曜日

宇治から枚方までパックラフト


2022/11/10 宇治川~淀川をパックラフトで単独下ってみました。今回は洞窟はなしです。

11:00 JR黄檗駅
11:30 隠元橋上流からイン
宇治の平等院の付近から入ってもよかったのですが、紅葉の時期で観光客が多そうだったので、下流の隠元橋を選択しました。黄檗駅から橋まで住宅地の中を歩いて20分ほど。途中お茶畑なんかもあって、さすがは宇治。


前半は橋が多く、時々橋の上から歩行者に見おろされたり。橋の下を通るのは街の裏側を見る感じで楽しい。写真は近鉄京都線の鉄筋の橋。
平日昼間なので、釣り人も少な目。釣り人は基本、パックラフトが通っても無関心なのですが、珍しく手を振ってくれる人もいました。
風もなく、天気が良くて川日和。

と思いきや、観月橋を過ぎたあたりから川の向きが変わって、向かい風が吹いてきました。思ったよりも進み具合が悪く、日暮れまでにゴールできるか不安になってきて、のんびりモードから少しがんばって漕ぐモードに変更。

14:00 京都競馬場

京都競馬場(といっても川からは何も見えないけれど)を過ぎると、桂川・木津川との3川合流点になります。春に来たら川から背割堤の桜並木が見られそう。今は人気もなく、静かな川岸です。
水は宇治川の時点から綺麗とは言いがたかったのですが、淀川になると泡やゴミが浮いていたりして目立って汚くなります。気温が低いので匂いはあまりしないのが幸い。


11月に入って全く雨が降っていないので、水位はかなり低めで、1~2m岸が剥き出しになっていました。おかげで上陸しやすいところもたくさん。亀もたくさん甲羅干ししていました。首から上だけ水面に出してスイスイ泳ぎ、何十mも潜水するカワウもおりました。

水遊びの人影もなく、人といえば河岸工事の人、釣り人の他、川に背を向けて岸の木立を見ながら絵を描いている人や、焚き火しながらコーヒーを飲んでいる人など。それぞれの川の過ごし方があるようです。

16:00 ようやく枚方が見えてきました。

途中、樟葉あたりで挫折しかけましたが、なんとか日没までに枚方にゴールできました。たいした向かい風ではなかったのですが、推進力の弱いパックラフトだと、案外時間がかかってしまいました。

淀川河川公園は上陸しやすく、パパッとラフトを畳んで、ラッシュ時間前に枚方駅から京阪電車に乗り込みました。電車の窓から今日の旅路を振り返りつつ、あっという間に京都へ帰還。

全体として流れがあり、難しいところもまったくなく、強風でなければのんびり川旅が楽しめるコースです。出発をもっと早くすれば、途中でコーヒーを淹れたりできたかも。御殿山付近で水位が低目(50センチくらい?)のところがありましたが、パックラフトでは問題なく進めました。
次は桜の季節を狙ってみようかな。

(おかざ)

2022年10月19日水曜日

【洞窟探査】まだまだ続くよ、宮崎県椎葉村探査②


(①からつづく)2022年9月も椎葉村へ。

1日目は2キロを超えるという宮崎県随一の「仲塔洞」へファンケイビングに。前週に直撃した台風の影響で川が増水していたが、水路パイプの横に橋があって難なく向こう岸へ渡ることができた。仲塔の入り口(3つあるうちの1つ)はすぐに見つかる。内部は迷路状で、先に続く道がなかなか見つからずうろうろ。ダストシュートのような狭い穴を下方向へ降りると、測図にも書いてあった人工のトンネルに合流した。その出口がもう一つの洞口であるとされていたが、鉄柵の向こうは完全に土砂で埋まっていた。洞内は複雑で、フリーでは降りられない段差の周りをまたぐるぐるして、時間切れとなった。3つ目の狭い洞口を、吉田さんが掘って広げてくれて、帰りはそこから出ることができた。

水路のパイプの横に橋がある
なぞのポージングの近野さん

翌日は、おなじみの時雨岳-前の谷方面へ移動。車で洞口近くまで行くために、時雨岳麓から狼谷104林道を車で通る許可を得ていたのだけれど、台風で道が荒れており、無理やり登ろうとしたらレンタカーのタイヤがパンクして敗退😅歩いて「棚ぼた洞(仮)」へ行き、3班に分かれて測量を完了した(測量図↓)。「棚ぼた洞(仮)」は狼谷林道にちなんで、「大神洞」と立派に命名された。もっとも狼谷がどこなのかは知らない。山奥の地名は、地図に書いてあることもあるが、現地の人しか知らない情報だったりすることが多い。


最終日は、5月に縣さんにより発見された洞口の内、SGR5とSGR6をディギング&探検。SGR5の洞口は狭いが、抜けると立派な縦のホールがあり、その先もまだ終わらないことが確認された。SGR5は洞口をうろついていたツノクロツヤムシにちなんで、かっこよく「ツノクロ洞」と名付けられた。SGR6もなかなか深いらしいという。次回のお楽しみ😊



椎葉村の洞窟情報に関心のある方、情報をお持ちの方は、ご連絡ください。探検希望者も随時募集中です。

おかざ

2022年10月18日火曜日

【新洞探査】まだまだ続くよ、宮崎県椎葉村探査①

ブログをサボっている間に宮崎県椎葉村に2回も行っていた。2022年のGW・5/1-5と9/23-25。

GWは、熊本県の葉木の竪穴にも行った。ワンピッチ80mで、洞口が広く、下の方まで光が差して高さがよくわかるので、高所恐怖症の私はロープにぶらさがったらもう下が見られない😱下降点から10mほど上に、横方向に行ける部分があって、縣さんによれば、先はまだ続いているらしい。今後の課題である。

参加人数が多かったので、全員が上がった頃には暗くなっていた。洞窟までのアプローチが長く、新入隊員オザキさんが脚を痛めて離脱してしまった。いきなり過酷な活動で申し訳ない😭

葉木の竪穴
こわいよ~



 




 

続いて5/2-3は、白鳥山の西側に樅木方面から入り探査。ドリーネはいっぱいあるけど穴はない、空振りばかりに終わる😔夕方、ゆうか行方不明事件が起こり、みんなを心配させたが、無事に帰ってきて、小川の流れる谷間でキャンプした。翌日は車へ引き返す班と、岩宇土山へ通り抜ける班に分かれ、行ったことがなかったので岩宇土山方面を選んだ。荒れ気味の林道(時々崩壊)を、岩を見つつひたすら歩く。岩宇土山はバキバキに割れた石灰岩の山で、登山道もところどころ足場が悪い。登山道の下り途中に、意外と立派な久連子鍾乳洞があった。

5/4-5は本命の椎葉村の時雨岳方面へ移動し、本物の「前の谷第2洞」の探検と、2021年11月に「前の谷第2洞」だと思ってうっかり見つけた「棚ぼた洞(仮)」の測量(途中まで)を行った。最終日はさらに新たな洞窟の発見を目指して周辺探査をしたが、これまた何も(既存洞すら)見つからなかった。ケイブハンター縣さんだけが、たくさん洞口を見つけてきた様子👏


解散後、九州残留組は熊本の球泉洞に立ち寄り、探検コースを案内してもらった。さんざん探検して、まだ探検したい人たちであった。夜はホテルの向かいのローカル居酒屋で熊本名物馬刺しに舌鼓をうった。(②につづく)

球泉洞探検コース

おかざ

2021年11月27日土曜日

【新洞探査】ワクワク熊本県白鳥山~宮崎県椎葉村2021/11/20-23(後半)

11/22-23 宮崎県・椎葉村(前の谷、仲塔、水無)エリア

3日目からは椎葉エリアへ。椎葉村は、1990年代の洞窟調査記録もあり、総延長2000mを超える仲塔洞で有名だ。一方で、日本の三大秘境の一つと云われるだけあり、大変アクセスが悪いので、以後あまり調査されていないと思われる。

新しいエリアで新洞を探す時は、まず調査済みの穴がどんなところにあって、どんな形状かを把握するところから。という訳で、1日目に位置確認しておいた「前の谷第1洞」に入洞し、続いて「前の谷第2洞」に行く計画とした。

朝から予報通りの雨で、3名ともテンションが上がらないままノロノロと装備を準備して、縣さんのリギングで第1洞に入洞した。順番を待っている間にも、風と雨が強くなってきた。洞内は報告書の測図通りで、ロープで25mほど降りると、狭い泥の斜洞になっており、奥はクラックに沿ってできた1空間で終わっている。

第1洞から出てきた時には3人とも「寒い」しか言えず、戦意喪失。雨は午後も降り続く予定で、これから山を上がって第2洞を探しにいける気がしなかった。

それで、計画を変更して、昼飯ついでに、車で椎葉村の下見に行くことにした。前の谷は椎葉村のなかでも最西端であり、村の中心部までは車で約1時間かかる。中心部には、役所、学校、スーパー、博物館などが集中している。目当ての蕎麦屋は14時で閉店していて、スーパーの隣にある、パン屋・コンビニ・酒屋・ライブラリーカフェが一つになった店「中園本店」でランチをし、スーパーで夜ご飯の買い出しをした。吉田さんがはりきって、鍋にしようというので、小さなスーパーの端っこに売られていた蓋付きの鍋と鍋具材を買い込んだ。

そこから、次回以降の合宿候補地として、仲塔エリアに向かい、廃校を宿泊施設にリノベした「渓谷の館」や仲塔洞のある十根川流域、さらには前の谷に戻る途中で、水無橋~水無エリアを下見した。仲塔洞はもちろん、水無橋の周辺には耳川に沿ってたくさん既存洞が報告されており、中にはそれなりの長さのものもあるので、椎葉で合宿する時には遊べそうだったし、まだ調査されていない石灰エリアも多そうだった。

段々と日が傾いてきて、前の谷に戻った時には薄暗くなっていたが、雨はほとんど上がっていた。寒くなる前に、さっそく鍋の準備に入る。吉田さんが手で野菜を千切って放り込む。肉、野菜の他、卵を殻のまま入れて同時にゆで卵も作るという大雑把なキムチ鍋を食べ、のんびり酒宴に興じて就寝。ガソリン節約のため(スタンドは1時間以内にない)エンジンを切って寝たのだが、この晩は雪もちらつき、かなり冷え込んでいた。









最終日は第2洞に入ることにした。場所は第1洞から150m登ったところ。しかし、笹薮が繁っているので直登できず、横にあった作業道を辿って登ることにした。途中、頑丈に張られた鹿避けネットなどもあり、大きく迂回しながら斜面を上がっていく。朝日が昇ってきて、昨日雨に濡れたケイビングスーツも少しは乾きそうだ。

目的地近くまで来ると、石灰の露岩がちらほらと現れ、記述通り杉林と雑木林の境界に、陥没穴が開いているのを、縣さんがいち早く見つけた。







穴の周りをぐるりと廻ると、陽光に照らされて、穴からもわもわと湯気が上がっているのが見えた。洞窟内は年中一定の気温のため、冬は洞内の方が暖かく、気温差で温泉のように湯気が上がる。

報告書によれば、第2洞は斜めに降りていく穴で、3つの大きなホールがあるとのこと。入り口部分は16mの竪穴になっているようだ。降りてみると、最初のホールは思っていたよりも広かった。

ホールの下奥からヘッドライトの灯りが漏れていて、覗くと狭い隙間を縣さんが掘って開いていた。さらに奥へ進むと通路はかなり狭く、次のホールに続くルートは砂利で埋まってしまったのだろうかと思われた。測図によれば、洞窟はこのまま斜め下に向かっていくはず。私がそこを掘り進むことにして、その間、縣さんはホールの横に開いている支洞を見に行くことになった。

通路の地面は砂利と泥だったので、手でたやすく掘ることができ、私がギリギリ通れる隙間になった。先には次の大きなホールがあると思ったが、天井のあまり高くない、上と下に向かう小ホールに出た。まだ下に行くかなと思ったけれども、下は見た感じ埋まっているようだ。どうしたものだろうと思いつつ、戻ってみると、吉田さんもホールに降りてきており、3人でもう一度測図を広げて見直すことにした。

ホールの様子と測図を何度見比べても、支洞はあるけれど、段差がなかったりと、どうもおかしい。何かのきっかけで穴が埋まったり崩れたりすることはあっても、ここまで大きく形が変わることはないだろう。そういえば、私の見に行った奥の空間には人が入った形跡がなかった。穴の場所も予想と少しずれていた気がする。どうやら、これは第2洞ではなく、まったくの新洞らしいと3人でざわめいた。こんなに分かりやすいところにあって人跡未到?と思うけれど、それは水上越の穴でもそうだった。

3人でホール横の支洞を調べた後、帰りの時間も迫ってきたので外に出ると、晴れていた空は曇り、また雪が降り始めていたけれども、探検の満足感と高揚で、寒さも紛れる気がした。

途中、第2洞、第3洞を探し、笹とイバラの薮をかき分けながら下山した。第2、3洞は隣の杉林の薮の中にあった。周辺には他にも穴があり、先程の新洞を第4、薮の中の穴を第5として位置情報をスマホアプリに記録した。

このエリアにもまだまだ新洞がありそうで、椎葉には再び絶対来たいと思った。


帰り道、二本杉峠の茶屋「東山本店」に立ち寄った。この辺りには他に店がなく、去年の夏の熊本合宿でもお世話になったお店だ。チームの近野さんからは、ここで買った山椒オリーブが大好評なので買ってきて欲しいとリクエストを受けていた。お土産を買うついでに、ヤマメの天ぷらや地鶏や山菜そばでお腹を満たして、グネグネの山道を下り、熊本空港に向けて帰路についた。

おかざ


2021年11月24日水曜日

【新洞探査】ワクワク熊本県白鳥山~宮崎県椎葉村2021/11/20-23(前半)

11/20-21 白鳥山・水上越エリア

11/19夜、縣、岡、それぞれ熊本空港に到着。
GWの高千穂探査の際にも立ち寄ったスーパー・キッド益城店にて買い出し。五家荘方面にはコンビニもスーパーも無いので、多めに食料と水を買い込む。
かろうじて開いていた御船町の中華料理屋で晩ご飯を食べて、一台の車ともすれ違わない二本杉峠を超え、吊橋で人気の「梅の木轟公園」にて車中泊。満月(この日の17-19時は月蝕だった。)でライトがなくても明るい。風もなく思ったより寒くない。

11/20朝、白鳥山御池登山口に向けて出発。
白鳥山に登る前に、まずは既存洞「前の谷第1洞」の確認から。資料に詳細な場所が書かれているのですぐに見つかると思いきや、意外と苦戦した。何度か行きつ戻りつして、笹藪の中に埋もれていた竪穴の洞口を発見した。
車に戻って、縣さんの姿が見えないと思ったら、少し離れたところに掘ったら進めそうな別の穴を見つけていた。こちらの穴と第1洞は活動後半の課題とする。

白鳥山(1639m)には2016年にも熊本県側から登っているが成果なしだった。今回は宮崎県側から上り、前回確認できていないエリアを調査する。
1日目は御池登山口から山頂に向かう。標高1500mを越えたあたりから地面が白いと思ったら、溶け残りの雪だった。山の上にはもう冬が来ていた。




















虫もいなくて、日差しは暖かく、山登りに最適な一日だった。山頂を通り過ぎ、ひたすら西進、今回は直線距離で約6km先の山犬切(やまいんぎり)まで行く予定である。途中、ドリーネを調べたり、小さな土穴を見たりしている内に、日が暮れかけてきた。17時過ぎには日没なので、山犬切より手前の谷にテン場を定める。

私は持参のテントを設置、縣さんは、1桁台の気温でもハンモックで寝られるかどうか検証のため、樹の間に吊ったハンモックの上にレスキューシートを筒状にしたものを被せて寝る。見た目はホイル焼き料理のようである。















今夜も月が明るく、ほぼ無風。それでも、さすがに標高が高いので、テント内もひんやりしている。縣さんは大丈夫だろうかとジッパーを開けて外を覗いたら、意外にも寝息が聞こえてきたので、案外と快適なのだなあと羨ましがりつつ就寝。
翌朝、縣さんにハンモック泊の感想を聞いたら、寒くてほとんど寝られなかったとの言であった。

2日目は荷物をテント内に残置して、稜線伝いに山犬切方面を探索。途中立派な石灰岩の岩盤があったが、峻険すぎて下に降りられず、次回の課題とする。山犬切の付近はドリーネはあるものの、露岩は少なく、地質図とやや違っていた。テン場に戻って荷物を取り、登山者もついでに見に行くという大ポノール(吸い込み穴)に立ち寄る。雨季には大きな水たまりになって、山から集まった水が地下に吸い込まれていくのだろう。乾いた平らなポノールの底を歩いていると、縣さんが上の方から、あっちに入れそうな穴があるよと言うので、それは朗報といそいそ上がっていく。上は石灰岩の露岩がたくさんあり、苔生していて、洞窟がありそうな良い感じの場所である。ウロウロしていると、今度は「入れそうな穴がある~」の声。急いで向かって見ると、斜面の岩の間に竪穴が開いている。大きな樹の下は陥没したのか、根が露わになっていて、その下にも空間がありそうだ。











日没までに下山というタイムリミットがありながら、やっぱり入ってみたいということになり、ロープを張って入洞する。斜めに20mくらい降りて、少し奥に行くとすぐに行き止まりだった。小規模だけど、立派な洞口で、これが名前もなく未調査というのも不思議である。とりあえず、MK(水上越/みずかみごし)1と名付けておく。










もう一つの、「入れそうな穴」の方はドリーネの端に開口、木の根っこをどけて、狭い隙間を覗くと15mくらいの垂直の竪穴になっていた。こちらも洞底に降りて少し行くと先は塞がっていた。こちらMK2。













この付近は探したらまだ他にもありそうと後ろ髪を引かれつつ、時間がないので下山方向へ向う。天気予報よりも早く、17時ごろにパラパラと雨が降ってきた。

下山後、風呂に入りにいくことにして、車で1時間半かけ、曲がりくねった山道を五木村の温泉へ向う。うんざりするほど遠いけど、汗を流せて、温まれるのはありがたい。
活動後半からは隊長の吉田さんが合流する。待ち合わせ場所を梅の木轟公園にして、再びの車中泊。
車に当たる雨音が激しくなってきた。翌日は100%の雨予報だ。

今回のルート