2020年4月3日金曜日

【測量】てんご穴測量 第8回 カンムギプロジェクト セミファイナル(2020/3/20~22)

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活動内容:測量
日程:2020/3/20(金・祝)~22(日)
入洞洞窟:てんご穴
場所:岐阜県山県市
天候:20日曇、あとは晴れポカポカ陽気
参加者:
 20日 10時入洞 19時出洞:縣、近野(18時出洞)、鎌田、岡、中西
 21日 10時入洞 19時半出洞:近野(14時半出洞)、鎌田、岡、稲垣、中西
 22日 9時入洞 16時出洞:近野(13時出洞)、鎌田、岡、稲垣、久保

使用車両:縣セレブカー あゆみカー 岡カー 近野カー 中西カー 稲垣カー 
会計:水音宿泊 @1000円
グルメ:20日おかざのおでん、21日便乗BBQ
記録:近野
電波:  宝谷鉱山まで行くと通じないよ。手前の集落のとこでも微妙。
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てんご穴の測量は、DistoXとTopoDroidを使用して行っている。
これまでの作業分担は以下のとおり。
メインルートスケッチ: 近野
支洞スケッチ: 鎌田、岡
メインルート製図: 岡
支洞製図: 鎌田、近野
ポインター: 都度、ご参加のみなさま(あとで名前まとめます)

今回は、メインルートスケッチの近野が、途中離脱するため、オカザがメインルートのスケッチをすることになった。むはははは!

20日

8時 美山支所 集合
地主さんにカギを借りに行き、お話する。
今年はカメムシが大量発生している。ちょうどシーズン。
てんご穴測量を楽しみにしていてくれた、区長さんが2月に亡くなったと聞く。
とても残念。結果を見てもらえず、申し訳ない気持ちになる。
この間、縣さんは忘れものの修正ペンを買いに、コンビニへ。修正ペン=いつも忘れられるやつ。

9時 北山公民館前
道路挟んで向かいに、ユーコン河合さん管理の水音というゲストハウス(?)があり、今回はそこで宿泊予定なので、入洞前に荷物を置きに寄った。


水音


10時ごろ 入洞
おつかいの縣さんも追いついてきて、全員で入洞。
中西さんはなんと、この日がSRTデビュー!
前回参加時は、まだSRTテストを合格していなかったので、ラダーで入洞したのでした。
祝・デビュー!これからバリバリ竪穴も行ってねー☆

中西さんSRTデビューの様子

<20日の布陣>
近野・縣 メインルート測量
 滝のホール西側 支洞
鎌田・中西 ジプサム支洞

メインルートは、一番奥の上流方向を測量し、未測量の支洞を片付けるだけの見込みだった。
しかしそれは、古い測量図の精度を99%信じた上での計画だった。

入洞後、滝のホールまでは全員で向かい、ホールで軽い打ち合わせの後、それぞれの作業エリアへ向かう。メインルートの測量エリアは、ジプサム支洞の向こうにある。
私と縣さんは、ジプサム支洞へ行ったことがないので、有名なジプサムを拝見しようと、寄り道する。

ところが、ジプサム支洞のジプサムは、思っていたようなジプサムではなかった。
オリジナルの図面にジプサムと書き込まれている辺りで、それらしい白い鉱物は確認したけど、なんだか釈然としなかった。
翌日、稲垣さんと再度訪れたときに話をして、その違和感の原因が分かったのだけど、ここの白い鉱物は、アラゴナイトに見えるのだ。
しかし、私はこれを見た瞬間に、ジプサムとアラゴナイトを脳内ですり替えて認識していた。

<稲垣説>
ジプサムは硫酸カルシウムが主成分で、アラゴナイトは炭酸カルシウムが主成分だから、全然違うよ。
ここの支洞は硫酸を含む鉱物が多く陥入しているために、周囲と違う鉱物であるジプサムができるのかもね。ほら、こことか、岩の色が赤っぽいし、こっちは緑でしょう。
でもこの白い鉱物はジプサムよりアラゴナイトに見えるけど、報告書に載っているなら、成分分析したはずだから、間違いないだろうね。

◆勉強になりそうなリンク◆
炭酸塩アトラス

Encyclopedia of Caves 3rd Edition
さて、縣さんとしばらくジプサム支洞を見物してから、最奥へ向かう。
前回(第7回かんむぎプロジェクト)の終了地点から続きを測量する。

縣さんはせっかちだから、測量が進むだろうと推測して、メインルートに配置したが、期待に反してあまり効果がなく、進まなかった。二人とも、ルートがよくわかっていないので、効率よい方針が立てられず、ループが多いこの洞窟では、しばしば作業が停滞することになったのが敗因だろう。

近野は、夜20時に家に帰らねばいけなかったので、18時出洞をめざしており、17時には作業終了の予定だった。
15時半ごろ、ひとつ大きなループの接続を確認して測量を済ませ、この日のスタート地点に戻ったところで、いったん作業を中断し、残りのルートの確認をしに行った。

縣さんは、水流の奥を見に行き、私はメインルートの終点にあたる部分のシャフトを上へ上へと進んで行った。

シャフトは、上のほうで、1.5m(W) x 2m(H)くらいのキーホールパッセージとなり、延々と斜め上へつながっていた。どんどん進み、最後は落盤の隙間を抜けると、ポコンとデカい横穴の壁から這い出した。そこは、てんご穴のこれまでのルートで最大規模の横穴で、地面には大きな落盤がゴロゴロしている。
これは、何も考えずに歩き出すと、来た道が分からなくなるパターンだ。
私は、振り返って、自分が這い出した壁の穴の形状と周囲の様子を記憶した。

そのときは、この横穴が図面にない部分だと思わなかったので、たぶんどこかからメインルートに戻れるのだろうと考えて、コンパスを見ながら本洞へ戻れそうな方向(NEN)へ進んでみる。
しかし、ルートは行き止まりになって、先へ進めなかった。
多少は足跡があるので、誰か来ているのだろうと思い、反対方向にも行ってみるが、どうもパッとしない。

時間を見ると、16時15分くらいで、帰りに手間取ると時間オーバーする可能性があると思い、来た道を戻ることにした。
来た時に記憶しておいた壁の穴を見つけて、もう一度入った。
しかし、その向こうは落盤だらけで、どこの岩の隙間から出て来たのかがわからなくなった。
「うーん」と思って、少し汗がにじむ。

行けそうな隙間に、片っ端から体を突っ込んでみて、何度かのトライ&エラーの末、懐かしいキーホールパッセージに戻ることができた。

シャフトに戻ると、縣さんはそこでグーグー寝ていた。
縣さんが見に行ったほうの水流は、すぐに狭くなっていたので、岩を割ったりしてアタックしたけど、今日抜けるのは無理そうだと言って、濡れて寒そうだった。

すでに17時だったので、あとは明日に残して私は急いで撤収。
残りの人たちは、19時ごろに出洞。夜は、水音でおでんをつまみに疲れを癒したのであろう。


21日
8時 北山公民館前
朝、水音で活動内容の打ち合わせ後、宝谷鉱山の駐車場で車中泊している稲垣さんと合流し、入山ポイントへ。

春がきていた


近野はこの日、15時半に一宮付近に戻りたかったので、14時出洞をめざした。
全体の出洞は、19時予定。

<21日の布陣>
近野・岡・稲垣 メインルート測量
鎌田・中西 ジプサム支洞の向かいの支洞

近野は、途中で離脱するので、担当していたメインルートのスケッチをオカザに押し付ける。
BluetoothでTopoDroidのデータをコピーして渡した(Android同士なら可能)。
私は、計測担当と、帰るまでに稲垣さんにペーパーレス測量を仕込む役。

10時 入洞
稲垣さんが美山カルストの洞窟に来るのは久しぶりだ。前回、洞窟に来てから5年以上は経っているだろう。お年寄りなので体力的には限界があるかもしれないが、測量は稲垣さんの得意分野なので、即戦力として期待していた。

前日と同様に滝のホールまでは全員で一緒に移動すると思ったが、気づいたらオカザはどんどん先に行き、稲垣さんたちは後方でどんどん遅れていく。
アレ?と思って滝のホールで待っていると、鎌田さんが来た。
「稲垣さんが支洞に寄り道するので、連れ戻してきました」

ああ、そうか、稲垣さんは脱線が得意なのだ。

追いついてきた稲垣さんと一緒に、測量ポイントを目指して進むが、せっかくだからジプサム支洞を見ようよ、ということになり。
二人でサッとジプサムを見て、前述のアラゴナイト疑惑について話す。
久々に稲垣さんのマニアックな洞窟話が聞けて懐かしい。

さらに奥に進むと、オカザが一人で支洞を測量していた。
私がずっと放置していた盲腸のようなやつを片付けてくれたのだ。ありがたい。

その後、ようやく前日の測量ポイントにたどりつき、おかざ・稲垣・近野で測量開始。
まずは稲垣さんにDistoXの仕様を説明、周囲をうろうろして形状を確認し、簡単な測量計画を立て、測量を始める。

さすが稲垣さん、ペーパーレス測量は初めてながら、理解が早く、するどい質問を飛ばしてくる。

あーだこーだ言いながら、前日に測量したルートと並行して上流へ向かっているルートを測量した。
稲垣さんはしきりに「これが終わったらお昼ご飯にする」とか言うのだが、最近のJETはランチタイムなんか設けず、人の目を避けてササッと行動食を口に詰め込む以外は休憩もないのが普通という鬼畜チームなので、たぶん稲垣さんはお弁当を食べることはできなかったのではないか。

私は14時になった時点で、出洞開始。
仲良く測量を続ける稲垣さんとおかざを置いて、急いで帰って行った。
帰り、国道22号が思ってよりも混んでいて、予定の時間より20分遅れてしまった。
連休とはいえ、帰宅ラッシュよりも時間が早いし、コロナウィルスで外に行く人が少ないと見込んだが、あてが外れた。

22日
6時半 JR一宮駅
日大探検部の久保さんが深夜バスでやってきたので、迎えに行く。

8時 北山公民館前
水音に寄り、打ち合わせ。
稲垣さんはまだ寝ていた。

稲垣さんのノンビリモードに合わせていたら、おかざと鎌田はいつの間にかいなくなっていて、久保さんは無言で私の車の助手席にじっと座っていて、車に戻ったらめっちゃびっくりした。

1972年以降に生まれた人たちは、脳が無線でつながっていて、思考が共有されているので何も言わなくても通じ合っているのだ。
ギリギリ1972年生まれの私は、知らないうちに状況が変わっていて驚くことが多いのだが、慣れました。

9時すぎ 入洞
この日も近野は早めに出洞。前日、ちょっと遅かったので、12時半出洞にする。ほかの人は、16時出洞。



写真と文章は関係ありません


久保さんはまだSRTテストを合格していないので、てんご穴の入り口付近、2か所にある5メートルほどの竪穴部分にラダーを設置して登ってもらう。
鎌田、稲垣とあーだこーだ言いながらサポート。

前回、確保用のダイナミックロープを用意したが、今回はナシ。SRT用のフィックスロープがあるから不要と思った。トップからプーリーを使って確保して登らせるにはSRT用のフィックスロープは短かすぎるが、チェストかハンドアッセンダーをつけて少しずつ登ればいいだろうと思う。
アッセンダーの使い方に慣れていないと少し危ないかと思ったが、それくらいは練習としてやらせればいいか。

あと、2本あるラダーのワイヤーは、まとめてカラビナに通すと、ワイヤーの消耗が早いそうだ。一本ずつにカラビナをつけて、別のアンカーにフィックスする。多少長さが違っても、荷重は平均化されるので大丈夫とのこと。(by 稲垣)

〇     △



<22日の布陣>
岡・稲垣・近野 メインルート測量
鎌田・久保 滝のホールの下の空間

メインルート測量は前日の続き。
ループで、つなげていないところをつなげてから、シャフトの上へ行き、形状確認したところで私はタイムオーバー。
12時半出洞だと、ほとんど何もできないなぁ。

オリジナルの図面にないルートが、思ったより大きいようなので、あと1~2回で終了と思っていた測量だが、もう少しかかりそう。
個人的には、未探検のルートが見つかる可能性を感じて楽しみだ。

<To be continued>

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