2019年12月25日水曜日

【活動・測量】てんごの穴測量 第7回かんむぎプロジェクト(2019.12.22)

活動内容:測量

入洞洞窟:てんご穴
場所:岐阜県山県市
日程:2019/12/22
参加者:鎌田、おかざ、石井、近野、あがた
協力:洞口地主様、地元自治会長様
使用車両:鎌田カー、おかざカー、あがたキャンピングカー、ちかのカー
会計:なし
宿泊:なし
グルメ:なし
記録:近野

恒例となった、てんご穴測量です。

8:00 商工会美山支所 集合 ⇒ 地主さんにカギを借りる

地主さん
「今日は、洞窟の中は、水が少ないだろうねぇ。
 ここ2日くらいは冷え込んだけど、それでも例年より暖かいねぇ。
 夕方から雨だよ。」などと世間話。
18:30ごろカギを返す約束をして、辞する。

8:15ごろ 円原伏流水付近の宝谷鉱山跡の前で、あがたキャンピングカー訪問

 前夜に、坑道を探検した話を聞く

9:00ごろ 出発
10:00ごろ 入洞

洞内は、地主さんの予想どおり、水が少ない。全体に水気の多い穴なので、水たまりだった場所は泥たまりになっている。洞内の空気の流れも少ない。

あがたさんは、測量しない。
てんご穴の上に位置する「あがた新洞」に残置してあるロープを回収しつつ、あがた新洞とてんご穴の接続を確認するため、あがた新洞から煙幕を焚く。
その後、山狩り(洞窟さがし)をしてから、17:00ごろに下山。

10:05ごろ 洞口近くの右手、あがた新洞接続ポイント候補①で石井さんが煙幕を焚くが、煙の勢いで煙幕の玉が転がっていき、水たまりに落ちてすぐに消えてしまったとのこと。
短時間に噴出したケムリは、洞窟の奥のほうに流れてきたので、候補①はどこにも行っていないのだろう。

10:10ごろ? 接続ポイント候補②のホール上層で、おかざが煙幕を焚いたらしいが、下のほうでは確認できなかった。煙はあっという間に上のほうに吸い込まれていったらしい。
7月に同じ場所で焚いたときは、風向きが逆で、ホールが煙で充満した。
しかし、あがた新洞のほうでは、煙は確認できなかったとのことで、あがた新洞は別の洞窟と結論づけられた。

11:00ごろ 近野・鎌田 本洞ルートの前回のつづき(191~)を測量開始
岡・石井は、いずれか未測量の支洞を測量する

近野・鎌田チーム。開始1時間以内で、スケッチをしていた近野が操作ミスをして、後半の基線がずれてしまう。

具体的な状況:
以前、測量した場所で、後から追加したポイントに200番を割り振ったが、今回の測量で200番に到達してしまい、既存の200番を2000番に変更したのだが、変更したときに「続きのポイントも番号をずらす」の設定にしてしまい、それ以降が全部採番しなおしに。ループ部分をつなげたところなども、お構いなしに採番されたので、どこがどこやらわからなくなった。

気をとりなおして、それ以降の図面は別ファイルを作成した。
基線がずれた場所は、バックアップファイルを見て修正することにする。バックアップは重要!!!

その後は、淡々と測量を進めるが、ループだらけでキリがつかない。17:00にタイムリミットとなり撤収する。

理想的なポイントゲッターの鎌田氏

ジプサム支洞の手前の狭い空間の奥 土の色が違うと鎌田氏が気づく


紫っぽい?赤でしょうか?



18:00 出洞 外は真っ暗で、ミゾレ混じりの雨。地主さんの情報どおり。

18:15 地主さんにカギ返却 リンゴをたくさんいただく。とてもおいしい。
しかし、食べきれないので、帰宅してからコンポートにしました。ごちそうさまです。

ちなみに、高知から通っている石井さんにも、文旦をいただいた。柑橘系果物は大好きだ。皮をドライピールにして食べようと計画している。


鎌田・近野チームの作業区域


岡・石井チームの作業区域


既存の図面は、短期間に作られたので、きっとやり残しがあると思って測量し始めたけど、やればやるほど、既存の図面の正確さに感服する。
限られた装備と時間で、ここまで作ったのはすごい。

あがたさん洞窟さがしの成果
てんご穴の上、あがた新洞のレベルを川の下流方向に進んだところで、-15m竪穴と100m?横穴を発見。2つは近接しており、報告済みのGM13とGM14であることを確認。
もう一つ、-10mの竪穴もあり。


つづく

2019年12月4日水曜日

【探検】ラオス遠征2019.11 Tham Nok Ang つばめ穴(2019.11.2-8)

活動内容:探検測量

入洞洞窟:Tham Nok Ang / Swallow cave/ つばめ穴
場所:ラオス バンビエン
日程:2019/11/2-8
参加者:吉田、近野、小川
協力:Green Discovery Laos, Mr. See, Mr. Riengさんと村のみなさん
使用車両:レンタカー Chevrolet 4WD
会計:合計405,805円+各自ラオスまでの交通費 ※洞外での食事、おみやげ代は別途
宿泊:San San Resort, 洞内
グルメ:大長今(韓国レストラン)、Lao Kitchen(ラオス料理)
記録:近野

プロローグ:
ラオス遠征は4年目。6回目。
今回は、2018年に途中まで探検測量した、Tham Nok Ang(つばめ穴)のつづき。

前回の探検では265.1mの深さまで到達し、時間切れで引き返した
長くなるので、後で役立ちそうなことをメインにまとめます。
探検記、報告は別途まとめたいという気持ちはある。


10/31(木)
10:15セントレア発、13:40ハノイ着(ベトナム航空)。ハノイで乗り換えてラオスへ。

乗り換え後のハノイ⇒ビエンチャンの便がラオス航空で、航空会社が変わるために荷物のスルーチェックインができず、いったんベトナムに入国して再出国する。

トランジット3時間なのに、入管にできた長蛇の列を見たときには、次の便に間に合うのか焦ったけれど、意外に早く進んで、荷物ピックアップ~再出国もスムーズ。

余裕で16:00の搭乗時間に間に合い、空港のレストランでフォー(6ドル)を食べる時間まであった。さすが近代大国ベトナム。そしてフォーの旨いことよ。

ハノイでは、広島からやってきた小川隊員(以降、かよちゃん)と合流した。
会うなり、「風邪を引いた」とマスクをして弱弱しい様子。
心の中で「気合いが足りんわ」と思ったけれど、若者?にそんなことを言ってはいけないので、心配するそぶりを見せる。


18:00 ラオスの首都ビエンチャンのワッタイ空港到着。空港タクシーでホテルへ行く。
空港タクシーは値段が決まっていて、市内までは7ドル(60,000kip、220バーツ)。割高感がハンパないけど、空港内にはトゥクトゥクがいないので仕方ない。
空港から市内への巡回バスが運行されていると看板があるけど、チケットカウンターには誰もいない。

19:00 定宿のバヤンコーン・インにチェックイン。
初ラオスのかよちゃんと、メコン川沿いのナイトマーケットを観光し、ラオスのゆるゆるパンツ(35,000kip)を買う。

20:00 ラオス在住のケイバー・テリーとガールフレンド・ノイに会う。
おススメのラオスレストラン「ラオスキッチン」で食事。

最近のラオスの洞窟事情を教えてもらったり、今後の探検について相談にのってもらう。
テリーは、がっつり洞窟オタクなので、話が面白い。

ラープ(ダック)
パパイヤサラダ
ジャウ(水牛の皮入りタレ)
川海苔
きのこスープ
レッドカレー(ティラピア)
(テリーにごちそうしてもらっちゃった!)

朝、ホテルの部屋のベランダを見ると椅子に何かくっついてる

近づいて見ると、ハチの巣!!ぐおーすげー!と喜ぶ。
椅子の下に蜂の子がパラパラと落ちていた。



11/1(金)
10:00 ガイド/通訳/ドライバーのトー ホテルに迎えに来る。Chevroletのかっこいい4WD。
昼 ビエンチャン・ワッタイ空港に到着する吉田さんを迎えに行き、合流。
12:00~12:50 酉丸(和食レストラン) 1409バーツ(324,000kip)
13:00~ 両替、Simカード買う、タピオカドリンク買う、肉まんなど買い食いする
14:30~ ビエンチャン出発
17:30  日没
18:00  バンビエン San San Resortチェックイン(装備を洗いやすいので、このホテルに)

San San Resortは、過ごしやすいステキホテル

ホテルの部屋割りが思っていたのと違っていたので、変えてもらいたいと交渉。
去年来たときは、ベトナム人のテキトウなお兄ちゃんがマネージャーだったけど、経営が変わっていて、融通が利かない。
部屋を変えてくれるのか、変えてくれないのか、はっきりしない。
部屋割り交渉で、この後数日間もめる。

夕食へ。トーが高級ホテル・インティラホテルのマネージャーに勧めてもらったという韓国料理屋・大長今に行く。うまい!
00:30  就寝


11/2(土) 別の穴に下見
トーの情報で、近くの山へ洞口を見に行く。
トーも行ったことがないので、どこにあるかよくわからず、村人に案内してもらう。
行ってみると、洞口は1300mくらいの山の頂上にあった。

車が通れる林道が無くて、山のふもとから生真面目に登って行ったので、どえらい時間がかかった。
かよちゃんは、登山に全く不向きな、ドタ靴を履いて来ていて、気の毒。

ランチタイム。かよちゃんは靴擦れの手当。
洞口は険しい岸壁を登り切った上にあった


洞窟は、ナナメに降りて行く横穴。一見、150mくらいで終わっているが、途中に横道があり、そちらが本洞か。
また今度行こう。
この日行った穴。中から見た洞口の様子。


9:00 ホテル発
9:30 村の案内人と合流。Mr.JamとMr.Pang。
12:30 ランチ
15:00 洞口
16:00 下山
18:30 下山完了(すっかり日が暮れる)

ホテルに帰り、また大長今へ。450,000kip
トーは、このあと結婚式へ。その後、明日のポーターの手配があるという。
ラオスは結婚式シーズン。


11/3(日)
Tham Nok Angへ行く。出洞は11/8(金)。
トーは、朝5時から荷物運びに雇った村の人の手配で忙しい。

朝、未だにホテルの部屋のアレンジの回答がもらえず、ホテルのマネージャーにキレる。
とたんに態度が変わって、部屋を都合してくれた。たまにはキレるのも大切だ。

7:00 パッキング
9:30 朝食
10:00 ホイさんが大型のトゥクトゥクで迎えにくる
10:30 ホテル発
10:45 ガソリンスタンド~買い物~シーさんと村長のリエンさん・ガードマンをピックアップ
12:00 入山ポイント手前の橋 トーがChevroletで待っていた

橋は手作りで小さく、車は通れない。Chevroletは浅い場所を選んで、川を渡る。
Chevroletが渡れなかったときのために、バックアップでもう一台4WDを待機させていた。
トーはいつも抜かりない。


林道手前の橋。去年は無かった。

12:20 林道ドライブ スタート
12:50 入山ポイント到着 (中国人の鉱山小屋)
ポーターたちは朝から待ちくたびれた様子。シーさんとリエンさん、ガードマンは食事する。

2018年に来たとき雇ったポーターは、高校生みたいな若い子ばかりでまったく仕事ができなかったが、今回はトーの村の人を呼んでくれたとのことで、みんな力強い。めちゃめちゃありがたい。
畑が収穫時期なので、10名頼んだけど、8名しか集まらなかった。


13:20 入山
13:40 休憩10分
14:15 休憩10分
15:15 山頂の岩場の下に到着
15:50 洞口に到着
16:20 トーや村人はみんな下山

入洞準備で、荷物の移動をしていると、17:00ごろから雨が降り始める。ときおり雷が鳴る。
かよちゃんと私は洞口近くにいたので、岩陰に隠れて雨宿り。
吉田さんは5mほど下の、猟師のビバークテントに隠れる。


18:40ごろ、ようやく雨が止んだ。
洞口付近は安全でないので、かよちゃんと私も吉田さんがいるビバークテントに移動し、夕食をとる。尾西のごはんとみそ汁、カレー。

猟師のビバークテントで、たき火しようとするが、木が濡れていて断念

20:00 引き続き、入洞準備で荷物を移動
22:20 入洞開始、個人装備以外は、ロープで荷下ろしする
24:30 かよちゃん入洞
25:06 かよちゃん 小部屋到着
26:00 近野 小部屋前に到着
26:20 荷下ろしロープの回収

小部屋へ行き、スナック、コーヒーなど食べ、27:00~28:00就寝
2018年に来たときは、3月でほとんど雨が無かったため、洞窟内は全く水が無かったが、今回は乾期とはいえ、夕方に少し雨が降る日が続いており、洞内の滴下水がかなり増えていた。
コッヘルに水を貯めて、食事や飲み水に使った。



11/4(月)小部屋の気温20℃
6:30~7:00 洞内のつばめが一斉に食事に出る
18:20 つばめ帰宅

この日は、結局何もしなかった。
初日に行った新洞確認で疲れていたところに、無理をしてつばめ穴に来たので仕方ないか、と思う。

23:00ごろ 洞外で雨が降ったらしく、小部屋の滴下水が増加

11/5(火)
4:00 起床 トイレ、食事、片付け
6:00 出発 2ピッチ目を荷下ろし かよちゃんが下で荷物受け取り
吉田さんは先に降りてルート作り。
前回、無視した、支洞を確認。

10:00 36Hキャンプへ かよちゃん、吉田さん荷下ろし。近野 未測量部分の追加測量
14:00 ロングピッチの荷下ろし 途中でひっかかって、近野が降りて伴走する
18:00 近野、吉田 -265m部分に到着
19:00 かよちゃん合流し、お茶・コーヒー・スナックで休憩
20:45 探検開始
21:00 つばめ 帰宅
23:00 アタックベースキャンプ設営

小部屋から出てすぐの下降ポイント
上を見上げるとまだ外の光が見える


-265m部分以降は、床一面がグアノでおおわれている。基本的には竪穴なので、地面があまりないのだが、わずかなテラスにもグアノが厚く積もっており、グアノから逃げられない。
―265m地点。降下地点の岩場以外はグアノだらけ。

―265m地点に落ちていたハシゴの残骸。
地元の人が中に降りようとして作ったそうだ。
人は落ちていなかった。

移動中はいいが、休息をとるためには、落ち着く場所を探さなければならない。
先頭を行く吉田さんが、苦肉の策で、広いテラスの隅に小さな空間を見つけて、ベースキャンプを設営した。こういうとき、吉田さんのクリエイティビティにはいつも感心する。


テラスの隅の狭い空間をベースキャンプとした。滴下水が激しい。


11/6(水)
8:00 起床
そろそろタイムリミットが迫ってきているので、吉田さんから計画発表。
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以降は、最小限の荷物でアタック・測量。最下部をめざす。
この日のうちに、ベースキャンプに戻り、寝る。
翌日(11/7)は登り返し、小部屋で仮眠。11/8は早朝から出洞。
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食事(尾西のごはん、韓国のりふりかけ、くらこん、モンベルのガーリックリゾット)

11:00 準備後、下降スタート
14:30 P27付近
18:00 最深部手前
20:20 最深部に全員到着 すぐに登り返して、ベースキャンプへ戻る

最深部は、狭い横穴になっていて、人が通れない隙間が続いていた。
カニがたくさんいるので、水流と接続しているはずだが、確認できず。

20:30 かよちゃん登り始め、近野は測量
21:30 かよちゃん、ベースキャンプ到着
22:30 吉田さん、ベースキャンプ到着
24:00 近野アンカー回収しつつ登り、ベースキャンプ到着
26:00 就寝

最深部から30mほど上のホールには、けっこうデカいカニがたくさんいた。


11/7(木)この日はひたすら外を目指す日
この洞窟に来る前から、吉田さんとの話題に上がっていたのだが、荷物が多い!
今回、3人チームでバッグは11個だったので、単純に一人3~4つのバッグを運ぶことになるのだ。

全行程430m余りとなったこの竪穴を、全ての荷物を持って出なければいけない。当然だけど。

タイムリミットがあと1日となり、バッグをどうやって運ぶか。決断が迫られていた。

8:00 起床
11:40 出発
12:30 下層へ残したロープ、引き上げ完了し、登り始め
15:30 近野(ラスト)-265m地点に到着
16:00 かよちゃん、一段上に登り、荷上げ(荷物全部上げてみる)
20:00 いろいろあって、ようやく荷上げ完了

この20mほどの短いピッチで、トラブルがあり、なかなか荷物を上げることができなかった事実により、一気に戦意喪失した一同。

「もうロープは置いて行こう」と決断。
「すぐにまた取りに来る、絶対」と固く誓う。残置するロープは600m、バッグ3個分。

荷物の重さに加えて、下層部分で大量のつばめのグアノにまみれて、ロープを登るときにグアノで滑ってしまい、動きに負荷がかかる状態だったのも大きな要因。

21:00 ロングピッチの下で、滴下水で装備を洗う

無言で装備を洗う。このときのドンヨリした空気は写真には写っていない。


24:15 吉田さん、トップで登る
25:44 吉田さん、36Hキャンプ到着
26:54 かよちゃん、36Hキャンプ到着

11/8(金)
5:30 近野、36Hキャンプに到着すると、そこで吉田さんが仮眠している

トレンチフットの症状がひどく、動けないらしい。

そのころ、ちょうど、かよちゃんから小部屋に到着したと無線が入る。
吉田さんに声をかけるが、起きる様子がない。
もう時間がないので、出発しないといけない、とだけ伝えて引き続き登る。

7:00 近野、小部屋に到着。かよちゃんと合流。少し休憩。

ここで、全員がトレンチフットになっていることが分かった。
私も初めて靴を脱いで確認し、しばらくサンダルに履き替えて足を乾かす。そんなにひどくはない。

トレンチフットについてはこちら参照

トレンチフット。ふやけてるだけに見えるけど、溝が深くてヒリヒリする。
悪化すると、出血するらしい。

村の人たちが、10時に洞口に迎えに来るので、あまり休んでいるヒマはない。
彼らが洞口に来た時点で、だれも外にいないと心配されるので、とりあえず私は荷物無しで外に出ることにする。

9:00 吉田さんが小部屋に到着。入れ替わりで私は登り始める。

10:00 近野、出洞

洞口には、なじみのシーさんや村の人たちが集まっていて、私が登っている様子を見物している。
携帯でめっちゃ写真を撮られた。

とりあえず、荷物を洞口からロープで引き上げようとするが、持っているロープが短いし、70mの距離をトラブル無しに引き上げられる気がしない。

各自が荷物を持って上がることになり、私はもう一度下に降りて、吉田さんから荷物を受け取り、登り返す。

13:30 吉田さん出洞
14:15 かよちゃん出洞

かよちゃんは疲れ果ててゾンビ状態だが、ずっと笑顔。こーゆー人柄は本当に偉大。

村人たちは待ちくたびれていたが、私たちのドロドロの顔を見て笑っている。
洞窟はどれくらいの深さだった?と片言の英語で聞かれたので、430mくらいだよ、と答えると、みんな目をクリクリさせて驚いていた。

仲良しのシーさんと記念撮影。みんなヒドイ顔。


荷物を仕分けして、村人に持ってもらい、岩壁を降りる。
岩場の下に、GDLのガイドのソーン君が待っていた。岩場が怖くて登れなかったらしい。

この日、いつものガイドのトーは、別の仕事で留守だったので、ソーン君が代わりに来てくれたのだ。まだまだ経験が浅いが、英語が話せるだけでも非常に助かる。

ソーン君は東北の震災の後、3か月間、復興ボランティアで日本に来たそうで、少し日本語を話せる。ラオスからボランティアに来てくれた人がいたのか、と驚いた。
ありがとう、とお礼を言った。

しかし、若いソーン君は、小生意気だった。彼のおしゃべり(自慢話)を聞きながら、下山。
17:30が日没で、17時には山は暗くなる。
村人たちは、ほとんどがヘッドライトを持っていないので、みんな焦って下山して行った。

ゾンビかよちゃんの下山だけは、ひどくスローだ。
優しいシーさんが心配して、ずっとつきそってくれるのを見て、私と吉田さんは早々に見捨てて、足早に下山した。

入山地点の、鉱山小屋で、かよちゃんとシーさんを待つ。
車が一台しかないので、先に下山した村人たちを村に送ってもらった。

日が暮れ始めたころ、かよちゃんとシーさんが下山してくると、ソーン君が「ごはん、食べましょう」と村で買ってきた食事を広げてくれた。
カオニャオ、おひたし、乾燥肉など定番のラオスのローカルフード。
みんな飲まず食わずで疲れていたが、和やかに食事しながら、車が戻ってくるのを待った。



ホテルに戻ると、かよちゃんはとりあえずシャワーを浴び、吉田さんは装備洗いモードにスイッチ。
吉田さんとかよちゃんは、翌日の夜のフライトで帰国するので、のんびりしている余裕はないのだ。

ホテルの人に大きなタライを借りて、吉田さんが風呂場で全装備を洗う。
ロープが無いので、比較的装備洗いは早いかと思ったが、グアノに油分が含まれていて、せっけんを使わないと落ちなかった。

私とかよちゃんは、洗い終わった装備を、次々に運んで、部屋の前の庭に広げて乾かす。
広いホテルで良かった。

他の宿泊客に「何してきたの?」と聞かれまくる。

その日は、またおなじみの韓国料理、大長今に行って乾杯した。

11/9(土)
朝、吉田さんとかよちゃんは、大急ぎでパッキング。

部屋の外に干した装備たち

バッグやカラビナは、ロープにかけて干した。
シーツはハウスキーピングの人のものです。

バンビエンからビエンチャンまでは車で4時間かかるのだが、ビエンチャン周辺は渋滞がひどい。
さらに、この日はタートルアン祭りの日で、首都ビエンチャンのタートルアンという大きなお寺に国中の人が集まり、盛大な儀式が執り行われるのだ。
ソーン君は、仏陀の誕生日だよ、と言っていたけど、灌仏会は春だから違うよな...。

とにかく、11時ごろにはバンビエンを出ないと、間に合わないかも、とソーン君に言われていた。

10時半くらい、早めにソーン君が来た。
吉田さんたちはまだ準備中だったので、とりあえずソーン君と私で両替ショップに行くことに。前日の村人に払う謝礼を、お金が足りなくて払えなかったのだ。

私が両替から戻ったあと、吉田さんとかよちゃんはソーン君の運転でビエンチャンに旅立った。

私はあとまる二日、11日まで部屋に残り、装備の乾燥と片付けをする。
一人で片付けをするのは、2回目。なんだかこれが標準になりそうでイヤだけど。
まぁ、大変だが、一人でのんびりやるのは得意。

40分後くらい、私が一人ゆっくりと風呂場で自分の装備を洗っていると、かよちゃんが不意に部屋に戻ってきて、また去っていった。
パスポートを忘れて、取りに帰ってきたらしい。
あとで、ソーン君がみんなに言いふらしていた。


ラオスの乾燥した空気と太陽で、装備は次々と乾く。
乾いたものから写真とメモをとり、パッキングする。
去年から、トーの家で装備を預かってもらっているのだが、預かってもらう装備は、次回は持ってこなくていいので、とても助かる。

8割程度、まとめたところで、ソーン君に連絡して、翌日の昼に預かり荷物を取りにきてほしいと頼む。


夜になって、急に体調が悪くなる。
去年、NHKの撮影で来たとき、カメラマンの男の子が高熱を出して3日間寝込んだのを思い出して、不安になった。

とりあえず何か食べないと、と思い、Luang Prabang Bakeryに行ってパスタを食べる。
ここのパスタは、ちゃんとしたイタリアンレストラン並みのクォリティーなので、安心して注文できる。
思ったのと全然違うものが出てきて、びっくりするのは、具合が悪いときはちょっと辛いのだ。

普通のカルボナーラ...。ありがとう、ルアンパバーンベーカリー。

11/10(日)
朝、やっぱり具合が悪い。
どうしよう。
まだパッキングも途中なのに...。
明日は帰国なのに...。
面倒くさいな。
やっぱり一人で残るのは良くないか。

と思っていたが、昼前までゴロゴロしていたら、ケロッと治った。
疲れていただけか。
大丈夫だった。

ふたたび、パッキング作業を開始し、完了したころ、GDLのマネージャーのトンクーンから連絡が来る。
彼はいつもはビエンチャンにいるのだけど、この日は仕事でバンビエンに来ているらしい。
久しぶりだから会いましょう、と。

パッキング完了した残置装備。13個。


おお、トンクーン!
彼はラオスでは珍しいキレ者で、ハートも暖かく、私が一番頼りにしている人なのだ。

ソーン君がホテルに荷物を取りに来たときに、ちょうどトンクーンもやってきた。
みんなで、高級ホテル・インティラホテルのカフェに行き、夕日の沈むナムソン川を見ながらビアラオブラックをごちそうになった。
そのあとはトーの家に行って、トンクーンの手料理をごちそうになった。(トーは仕事でいないのに、勝手に!)

ライスワインを飲みながら、料理ができるのを待つ。
トーの家は広い。ここは台所。

カオニャオ、チキンスープ、インゲンのおひたし、チキンラープ、菜の花の塩ゆで。
マーケットで買った食材はどれも美味しかった。

今回、荷物運びに来てくれた村の人も呼んで、お約束のエンドレス乾杯で、私はヘベレケになってホテルに帰った。
いやー、しかし、トンクーンに会えてよかった。
次の探検の話やら、過去の探検の話やら、いろいろできたし。
メールやWhatsappでもやり取りしているが、やっぱり直接話ができると違う。


11/11(月)
帰国の日。
10:00 ソーン君が迎えに来てくれる。
ビエンチャンまでのガソリン代(400,000kipくらい)を払うお金がないので、ATMに寄ってから出発。

車内では、ソーン君の小生意気な自慢話がノンストップなので、早々に寝る。

12:30 サービスエリア的なレストラン/コンビニで休憩

「お腹すいたから、ライスヌードル食べたいな」
ソーン君「僕はお腹すいてないよ」

君の腹具合は聞いてないんだよね。と思いつつ、「ここで食べるわ、待っててね」とレストランの外の席に座る。

私はチキンのライスヌードルを注文。
ソーン君は、メニューで一番高い、シーフード盛り合わせを注文。
もちろん、支払いは私なのだ。いいけどね、言ってもそんなに高くないし。

ソーン君のシーフード盛り合わせは、注文して30分くらい経っても出て来ない。
私のライスヌードルは30秒くらいで出てきて、すぐに食べ終わってしまった。

どないなっとんねん、腹の減ってないガイドの食事待ちって...。と思うが、時間はあるので、別にいいのだ。
世間話をしながら、のんびりしていると、満を持してシーフード盛り合わせが登場。

ソーン君「僕、お腹空いてないから、食べてね」

どないなっとんねん、と思いつつ、ほとんどエビだけの盛り合わせを恐る恐る食べる。
そもそも、シーフードと言っても、ラオスには海が無いのだ。
どこからきたシーフードなのか?
隣国のタイか?どうせ冷凍だろ。
ソーン君、しょうもないもん頼みやがって....。

ところが、エビうまーーーー!!!
小ぶりだけど、ジューシーで味のしっかりしたエビでビックリ!
ニョクマムにつけて食べると絶品だよ。でかしたソーン君。

「このエビってどこで捕ったの?」
ソーン君「川だよ」

えー!川のエビ、うまい!せやけど、シーフードちゃうやん!

ふたたび、車に乗り込み、速攻で寝る。
気が付くと、空港の入り口だった。
ソーン君にあっさりと別れを告げて空港に入る。

チェックインは17:30からなのに、着いたのは14:30だった。
渋滞を恐れすぎて、出発が早すぎたようだね。遅くなるよりはいい。

空港で待ち時間は長かったけど、GDLへの支払いの確認やお土産の物色などでヒマをつぶした。
帰りはずっとベトナム航空の運航なので、スルーチェックインできて楽だった。

関係ないけど、ベトナム航空の機内エンタテインメントの映像は、オープニングがソンドン洞窟でのケイビングツアーのイメージで始まるので、見るたびにワクワクできてよかった。
今まで、いつもタイ航空だったけど、ベトナム航空は安いし、ハノイ空港はキレイでごはんも美味しいし、これからはこっちかなー。
いや、来年からは熊本発のラオス航空の直行便が就航になる予定だから、そっちも試さないとな。


おしまい

2019年11月25日月曜日

【ファン】奈良県川上村(2019/11/21)

活動内容:ファン(を兼ねたトレーニング)
入洞洞窟:白倉又谷洞
場所:奈良県川上村
日程:2019/11/21(木) 平日活動
参加者:いのっち、やっすー、まささん、おか
使用車両:おかカー、よいよいカー
グルメ:馬酔木(焼肉定食・牛)うまいし安い!平日でも混んでる。
電波:駐車場、林道も圏外
記録:おか

最近、奈良県川上村のガイド組合「山遊び塾 よいよい川上」のガイドさんがJETに入隊した。
といっても、いのっちとは一緒に活動したことがあるし、やっすーとは京都のイベントで会ったことがあってすでに顔見知りである。

JETは数年前から川上村周辺でよく活動している。伊勢湾から和歌山にかけて帯状に石灰岩が点在していて、それぞれの範囲は小さいながら、たくさん洞窟が見つかっている。
川上村では、数十年前に大々的に洞窟調査が行われていて資料も残っているが、観光洞を除いて洞窟に行く人はあまりいなかった。

川上村に住む二人もまだ行ったことがないというので、代休で平日休みをとれるというまささんも入れて、入之波温泉の奥、白倉又谷にある洞窟に行こうという計画が立ち上がった。私は測量の時一回しか来たことがないけれど、とても立派な洞窟だった記憶があったからだ。
当日は天気も良く、遅めの紅葉が混じるキレイな沢沿いの山道を上がっていった。


いのっちは、さすが職業ガイドで、吉野杉やダムの歴史について質問すると、打てば響くが如く教えてくれる。

私は自分のGPSに白倉の位置を「不正確」とメモしているのが、気になっていた。たぶん谷間でうまく衛星の位置情報を拾えなかったのだと思う。
数年前のことなのに記憶があまりなく、無事にたどり着けるのだろうか、、、と不安な気持ちだった。
いざ、この辺りというところに着いてみても、自分の記憶に合うところがなく、川の上流下流を行ったり来たりしていた。水は冷たいけれど、天気がよかったのでよかった。
結局、私の記憶よりももっと上の、岩盤の基部に大きな洞口が開いていた。自分の記憶が全然当てにならないことにションボリした。

入り口は岩屋のようになっていて、奥には続いていないのだが、ごろごろした大岩の隙間から下方で川が流れる音がかすかに聞こえる。ここからフリーで少し降り、あとはロープで地下河川まで下る。
ここでも私の記憶の中ではロープをちょっと降りて、それからトラバースした気がしたのだが、既設のハンガーが見つからず、、、
さすがに最初のアンカー1つだと、登る時にロープが岩に擦れて切れる危険性があるので、みんなには先に降りてもらって、私は久しぶりに手打ちキットを使ってハンマーで岩に穴をあけ、アンカーを設置した。これはこれで良い練習になったが、しかしながら、自分の記憶のアテのならなさを痛感したのであった。

帰り途は、やっすーの苔テラリウムのワークショップの話を聞いているうちに、あっという間に駐車場に戻ってきた。

川上村の大人気の焼肉屋さんの焼き肉定食は、安くてボリュームがあり美味しかった。JETやガイド連盟の話題で盛り上がっている間に、平日の夜なのに店はみるみる満員になり、帰る頃には店内は煙でもわもわしていた。

2019年11月19日火曜日

【活動・測量】てんごの穴測量 第6回かんむぎプロジェクト(2019.10.27)

活動内容:測量

入洞洞窟:てんご穴
場所:岐阜県山県市
日程:2019/10/27
参加者:吉本、おかざ、Fさん
協力:洞口地主様、地元自治会長様
使用車両:吉本カー、おかざカー
会計:なし
宿泊:なし
グルメ:なし
記録:

もう6回も来ているのに、測量が終わらないとは…。
てんごの穴は、竪穴部分があったり、地味に濡れたり、狭かったりとじわじわ辛い洞窟である。
そんな所まで測量に来たいなんて人はそうそういないのである。

でも、時々、ペーパーレス測量をやってみたいと思ってなのか、岐阜のマイナーな穴に入ってみたいと思うのか、わざわざ遠方から手伝いに来てくれる人が、チーム外から現れるのである。拝みたいくらいにありがたい。

東京の大学探検部員であるFさんも、そんな一人である。たった1日の活動のために、前日に名古屋入りして来てくれた。朝、待ち合わせの大垣駅に行くと、ペーパーレス測量の講習会に来てくれた見覚えのある顔があった。そういえば、Fさんは講習会のアンケートに新洞探査が好きと書いた珍しい人だったので覚えている。

色々と関東の大学の探検部事情などを伺いながら現地へ向かう。関東には洞窟が少ないので東北地方まで行って活動しているらしく、結構大変そうだ。

美山支所にて吉本さんと合流し、地主さんに鍵を借りて、いつもの通り現地へGO。
1日しかなくて3人しか居ないので、中途半端に終わるよりは、やり切れそうなところを狙うことにして、半分くらい進んだところの支洞を測量することにした。
今回は私がスケッチ係を引き受けたので、ポインターの吉本さんを先頭に、Fさんに測量計をお願いして、私は後からついていく。
支洞に入ると、さっそく既存の測図には載っていない部分が登場。吉本さんが、狭い通路の先の方でもがいている音がする。Fさんも続いていこうとするが、何度か試して諦めたようだ。まだ先は続いているようなので、スケッチ係としては見に行くしかない。Fさんには待っててもらうことにして、通過しようとしたが、上方にあがるのに、かろうじて胸が通るくらいの薄っぺらい空間だ。狭洞マスターを自認する私も、おいおい本当に上がれるのかいなと不安になった。手と足がかかる場所を探して少しずつ上がる。こういうのは、過ぎてしまえば別にという感じだが、その前に心が折れたら行けない、てなものである。

前日に降った雨のせいで洞内の滴下水も多く、全体的につらい活動だった。東北でもっと小さな規模の洞窟に行くことが多いFさんは、どこまで行ってもまだ終わらない~という洞窟が珍しそうだった。

支洞の測量を終わらせることばかり考えていて、写真を撮るのも忘れていた。

Fさんは、卒業後の就職は決まっているけど、勤務先エリアを自由に選べるとかで(いい会社や!)、まだどこに行くか決めていないらしい。私がインドネシア遠征の話をしていたら、Fさんもインドネシアの某島にあるらしい火山洞窟に、少ない手がかりを元に行ってみたいとずっと思っているという野望を話してくれた。就職しても、探検への情熱を忘れずにいてほしいなあと、岐阜駅で夜行バスに乗る前にラーメンを食べるといって元気に下車していったFさんを見送った。

2019年10月30日水曜日

【SRT訓練】200mハツカネズミと基本技術(2019/10/22)

【SRT訓練】200mハツカネズミと基本技術

活動内容:SRT訓練

入洞洞窟:なし
場所:地球探検社訓練施設(愛知県一宮市)
日程:2019/10/22(火・祝日)
参加者:小川かよ、久保ゆうか、鎌田あゆみ、ちかの、吉田(オブザーバー)
協力:なし
使用車両:N.A.
会計:施設使用料500円
宿泊:なし
グルメ:とんかつたる蔵
電波:WiFiあり
記録:ちかの


11月のラオス竪穴遠征に際して、200mロープを登り続ける、【200mハツカネズミ訓練】をやりたいと、小川かよがわざわざ広島から日帰りでやってきた。

SRT基礎訓練中の、久保ゆうかも、練習したいと言って、東京から高速バスでやってきた。

鎌田あゆみは、わざわざ監督のために参加してくれた。ありがとう。

・200mハツカネズミ
 1時間ほどで完了。ペースはゆっくりだが、休むことなく遂行した。

そのほか、ラオス遠征についての連絡事項や、打ち合わせなどを行った。

久保ゆうかは、通常の昇降はできているが、まだまだ不慣れ。
ノット越え、リビレイ通過、ディービエーション通過を練習。次回こそは、オンロープレスキューに進みたいが、遠方だし、学生だしで、なかなか機会が得られない。
SRT2の関連ページをコピーして渡し、自主練を薦める。
近くの大学と合同で練習するのもいい。
とにかく練習あるのみ。



2019年10月4日金曜日

【竪穴訓練】秋吉台合宿(2019/9/30-10/1)

活動内容:竪穴訓練

入洞洞窟:入見穴見戸の穴・椿穴
場所:山口県秋吉台
日程:2019/9/30(月)、10/1(火)(ど平日)
参加者:近野さん、いのっち、かよ/特別参加?よいよいのヤッスー
協力:秋吉台科学博物館様
使用車両:ヤッスーCar、かよハイエースくん
会計:ヤッスー。ひとり2700円ぐらい?
宿泊:秋吉台オートキャンプ場 
   車一台&テントひと張 5000円+ゴミ代1000円 AC電源、BBQ台、流し台つき。
   入ってないけど目の前にトロン湯温泉や景清洞あり。
グルメ:BBQっぽいこと
電波:入見穴見戸の穴は車道でぎりぎり・椿穴は洞口でもOK
記録:かよ




プロローグ

「私を竪穴につれてって❤
しかも、経験したことのないシビれるやつに。」

近野さんにそう言ったのは、たしかに私である。
私ではあるが、なんであんなこと言ってしまったんだろう。

一本のロープにぶら下がり、私は激しく後悔していた。


「そんな怖いことして何がたのしいの?なんで行くの?」

幾度となく人に問われてきたが、今回その事を何度も何度も自分に問う羽目になるとは
おねだりした時点では思わなかったのだ。



2019/9/30(月) 一日目

 9:00 秋吉台科学博物館に集合
  近野さんは、いのっち&ヤッスーの奈良組と相乗りで。私はハイエースで。

  いのっちはJETに入隊して初めての参加!
ケイビング連盟奈良支部の人で、一緒にSRTの訓練をしたことがあり、久しぶりの再会だった。

そうだ竪穴デビューも井倉上の穴で一緒にしたんだった!
そんなこともあって親近感をもっており、JETに入隊したと聞いた時は同期ができたようでうれしかった。


ヤッスーはいのっち&ちくちゅーと共に奈良でよいよいなんちゃらを運営しているガイドさん。

彼はガイドとしての見聞を深めるために博物館や観光洞をまわるそう。
えらいな~。と思ったら実はSRTのテストもパスしてるけど、高いの怖いからだって。
意識は高いのか低いのか。(・.・;)

同じく彼とははじめましてのはずの近野さんの口ぶりから
何となく彼はネタが多いように感じたが
ここからは別行動なので夜を楽しみに一旦お別れをした。

 数日前に手に入れたばかりのハイエースに3人分の荷物を積み込み、私の運転で出発です。

ちなみに人と共用の車なので毎回出動できるとはかぎりませんが・・・。
さっそく大活躍のハイエースくん♪

いつも気を利かせてアレコレ教えてくれる、まささんからの案内メッセージを頼りにすすむ。
未舗装の細い山道をガンガン走る!
尖った石灰石がごろごろしてるボコボコの道。

ひええええ!!これパンクするんちゃうか?!

まだハイエースのお金、
一円も払ってないのに・・・!!




もうずっと電波もギリギリなので、
切れちゃう前にと近野さんが博物館に入洞連絡をしてくれた。

何とか車を停める場所をみつけて出動準備→いざ登山!!

ビビりながら覚悟をきめて登り始めたが、
近野さんがあっという間に洞口をみつけてくれた。さすが…💕

入口は横穴で、何となくイメージしてたよりは大きく感じた




11:30 入洞

入見穴見戸の穴[いりみあなみどのあな]

ドレミファソラシドみたいで、どこで区切っていいのやらと思っていたら
「入見」にある「穴見戸」という「穴」なんだって~。

リギングは近野さんがしてくれる。
未だ竪穴の経験が浅く役立たずな二人は見守るのみ。

 なんだかトリッキーなリギングみたいだった。

縦横複合のこの穴は、ちょこちょこ鍾乳石もみれたり
途中では二段ベッドのような楽しい空間も!

チムニーでおりる狭いとこでは縦装がひっかかってアワアワしたり。
最近、溶岩洞続きだったから石灰洞は変化に富んでてたのしい♪


縦部分も経験の浅い者としてはけっこう高さのある穴で、
どきどきしながら何とかクリア。


第5ピッチまでいったのか?
キリのいいところまで降りたら時間がギリギリだったのでさっさと登り返して脱出することに。

なかなか二人が出てこないなと思ったら帰りにいのっちは挟まってしまい格闘していたらしい💦



19:00 出洞

「おなかすいた~!肉~~!!」
わーわーいいながら暗い道を走る。

それにしてもだよ、すっかり運転を私任せのお二人さん。

まだ知らないのである。
私は友人間では有名な方向音痴のおっちょこちょいなのに・・・
手に入れたばっかの乗りなれない車でテンパッてるのに--!

もっと私を疑ってくれー!!と懇願し、
みんなでナビをみながら何とかキャンプ場に到着♪

待ちに待った肉タイムです❤

すると!
そこで待ってるはずのヤッスーがいないではないか!!


そう、ここは秋吉台家族旅行村

予約してあるのは秋吉台オートキャンプ場

まったく別の場所でした~★


運転手の私と助手席のいのっちもわるいが、
予約してくれた近野さんまで違う場所を目指していることを気付かなかったのだっ!
三人もいて気づかんとはどゆこと~~w😂

ハラペコMAXで思考回路が停止した3人は
さらに15分かけて無事オートキャンプ場についたのでした。。。

さあさあ、今度こそ洞窟以上に楽しみにしていたBBQ!!
肉と酒の時間です❤


最寄のスーパーは19:30までだったので、ヤッスーが気を利かせて買い出しをしてくれていた。
…が!なせか買っていたのは焼きそばと細切れ肉が中心!!

どうやらBBQをすることをしらなかったらしい。
なぜだ~ヤッスーよ~~ww
こちらは近野さんが事前に買い出ししてくれていた食材。
今回は申請から装備の準備に片付け、リギングまでフルコースで近野さん!頭が上がりません。



みんなさすがの手際のよさ。各自てきぱきと準備をし、そそくさとカンパイ♪
男性陣が焼きそばやプルコギみたいなの作ってくれておいしかった。
炭水化物と肉がしみわたる~❤(温泉は20時までなので断念)



2019/10/01(火) 二日目

 7:00 起床&準備

さて、昨日別行動だったヤッスーがなにをしてたかというと。





パンクしていた。




9:00 活動開始
今日もお世話になります、近野先輩💕

椿穴[つばきあな]

かわいらしい名前とは裏腹。洞口すぐにリビレイがあるものの
そこからはまっすぐ下に向かってドーーーーンと底までワンピッチ!!
90mの竪穴なのだ。


引きつった笑顔。



もうこの時点で帰りたかった。
高いのまったくダメで、ジェットコースターの類もお化け屋敷も大嫌い。
お化け屋敷は関係ないか…。

…なのになんでこんなことを志願してやっているのか?
そりゃもちろんステップアップのためである!負けるな私!!

100mのロープは重い。

たくしあげながらすこしずつ降りて行くが、底に着くまでアンカーなしで
一本のロープのみに命をあずけるという行為は、
今思い出しても心臓がキュッとなる。

手に汗かく。
呼吸もあがる。
ドキドキする。


トラウマになっとるやんけ…。



底までつくと、なんだかくさい。
あたりを見ていた近野さんがちいさく「わっ!カエルが死んでる」と声を上げた。

近野さんともあろう方がカエルの死体ごときでどうしたんだろ~?
と見てみたら、手のひらはあろうかというでっかいカエルだった。
そらくっさいわ!!

しかも近くにはまあまあのサイズのヘビの死体まで。

いったいここで何があったのか?
カエルにとってはまさに地獄の底であったろう…。

いのっちも降りてきたのでさらにその下をフリーで降りて確認。
臭いしさっさと出ようということになった。
上りはうっかりするとビヨンビヨンして、これまた生きた心地がしない。



何度もやめたくなったが
やめたところでなんの解決もしない。

また気持ちを奮い立たせて登る。

パニックになりそうな自分と隣り合わせで何とか上まで登りきることができた…。






デリギングはいのっちが初挑戦。
お疲れ様でした!



みんなと話すと、
全員が「なんでこんなとこに来たのかの後悔」「なんとか登らずに終わる方法はないか」がもれなく頭をよぎったという…。

そんな極限の状態だったにも関わらず
終わったら「楽しかったね~♪」と笑顔で言ってしまうのだった。


自覚していたけど、やっぱり変態の集まりだと思ったのでした!

おわり。